屋上~1

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目の前には大きく病院があった。 僕は、もう一度あの女の子に逢いたくて、この病院に来ていた。 ここには大野の姉貴が働いている。 きっと彼女の事も聞けるはずだ。そう思って来たのだ。 と言ったものの、大野の姉貴がどこにいるのか解らない… とりあえず、売店のおばちゃんに聞いてみる事にした。 「あの~ここの看護士で大野 由花さんって人、どこに行ったら会えますか?」 僕の問いに振り返ったのはおばちゃんではなかった。 もっと若くてかわいい、というか、瀬田 雅だった。 「うぇ~?!ねゃんで(なんで)キミが?!」 咬んだ…また咬んだ… 出会い頭に二度も咬むと、さすがに凹んだ。 「あら、お客さん来たの?」 そう言って奥から出てきたのは、今度こそ売店のおばちゃんだった。 「じゃぁ私行くね。」 おばちゃんにそう言うと瀬田 雅は、まるで僕なんていないかのように素通りしてしまった。 僕はすぐに追い掛けようとしたけれど、売店のおばちゃんに捕まり話し掛けられてしまった。 「あんた、雅ちゃんの友達?」 おばちゃんの質問に少し迷ったが、 「そうッス。」 と答えた。 まぁ、成り行きとはいえ一度は遊んだんだ。友達って言っても間違いじゃないだろう。なんて自分に言い聞かせていると、 「そう、今日はあの子のお見舞い?」 おばちゃんの質問にハテナマークを浮かべていると、 「あら?違うの?」 と不審がられてきたので、 「あぁ、そうなんスよ、いやちょっと病室わかんなくなっちゃって…」 と誤魔化すと、親切に病室を教えてくれた。 おばちゃんにお礼をいい、教えてもらった病室に向かった。
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