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「あのね、キミって呼び方、おかしいよ?」
僕の気持ちなんて知る訳もなく、彼女はそう言ってクスクス笑っていた。
僕は泣きだしそうなまま、叫んでいた。
「な、なんだよそれ!オレはキミが大切な…」
言いかけると、
「雅、そろそろ部屋戻れよ。」
そんな声が聞こえた。
振り向くと、少し年上くらいの男が彼女を呼んでいた。
彼氏、か…
さっきまでの勢いは嘘のように消え、僕は立ちつくしていた。
彼女は、クスクス笑いながらその男の後について屋上から出ていった。
虚しかった…
さっきの言葉の続きが小さくこぼれた。
「大切な人だと思えたから…」
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