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「まずいなぁ…」
僕は、カレンダーを見て唸っていた。
そこには、19日『相撲大会』20日『誕生日』と書いてある。
「まずいよぉ…」
屋上での出来事から、三ヶ月が過ぎようとしていた。
僕達はまだ中学生同士で、好きな時に逢うなんて事もできなかったけど、電話やメール、手紙などで繋がっていた。
その中でわかった事は、
雅はあまり身体が強くなく、小さい時からなんどか入退院を繰り返している事。
それから、無口な割に、なかなか意志が強い事。
それに、僕より考え方がしっかりしている事。
そして、ワガママだって事。
雅はあれからすぐに退院できた。「ただの風邪だよ」と言っていた。
電話でその事を聞いた時、屋上での気持ちを思い出して恥ずかしくなった。
少し前に、不登校の事についてそれとなく聞いたら、
「そうだよ。本当は行きたいんだけどね。」
そう言って苦笑した彼女は少し寂しそうだった。
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