幸福~1

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「で、お前あの子と付き合ってんの?」 道場に向かって歩いている時に、友成がそんな事を言った。 「は?そんなの…」 (待てよ、オレ達って付き合ってんのか?) 今更だが、僕は彼女に告白などしていない。 そんな勇気もないし、第一彼女と仲良くなれて、それだけで幸せだった。 何より、もし告白してフラれたりしたら… 考えたくもない。 けれど、僕はいつの間にか雅の事を彼女と思っていたのかもしれない。 何度かデートっぽい事もしたし… それくらいか? 友成の言葉で我に返った。 「なんだ、付き合ってねぇのか。デートしたって聞いたからオレはてっきり付き合ってんのかと思った。」 「うっ…いや、付き合ってはねぇけどよ…」 自分の勘違いなのだが、改めて気付かされると、多少傷ついた。 少しして重大な事気が付いた。 「おい!聞いたって誰からだよ?」 友成は「デートしたって聞いたから」と言った。 つまり、僕が雅に会っている事を誰かから聞いたに違いない。 「え?由花さん。」 しまった… 筒抜けコースだった…
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