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道場のドアを開ける。
独特のニオイがする。
部屋のほぼ中央には、円状の俵。
左奥には丸太が地面から伸びている。
その手前には、錆付いたダンベルやバーベルだど。
部屋の右側は少し高くなっていて、畳がしいてある。
ここが僕らの部室だ。
僕は相撲部だ。
しかし、誰にそう言っても信じてもらえない。
当たり前と言えば当たり前だ。
中学の頃の僕の体重は、一番ある時で54キロだった。
周りから見ると、とても相撲という体型ではないらしい。
親戚のおばちゃんは、親に無理矢理やらされていると思ったらしく、「可哀想に」と何度も言っていた。
けど、無理矢理なんかじゃなかった。
どちらかと言うと、僕が無理矢理入った感じだった。
小学校から続けてきた相撲を投げ出したくなかった。
そしてもっともっと強くなりたかった…
「部活の事、あの子に話したのか?」
友成がまた痛い事を聞いてきた。
「ま、まぁな…一応はな…」
一応、話した。
「何部?」って聞かれたから、「格闘技」って…
嘘は付いてない!
少し大げさに言ってみただけだ…
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