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「バカだな…で、彼女はなんて?」
「へぇ~、って…」
着替え途中だった友成は、腹を抱えて笑いだした。
「それ、おめぇに興味ねぇんじゃん?」
悔しかったけど、言い返せなかった。
言い返せなかったので、友成に蹴りをいれてやった。
僕らがそんなゴタゴタをしているうちに、他の部員もやって来て、部活が始まった。
家に帰ると友成との会話を思い出した。
「オレらって…ただの友達なのかぁ…」
疑問系ともとれる独り言。
手っ取り早いのは雅に直接聞く事だ。
オレらって付き合ってるよな?って。
聞けるはずが無い。
否定されて終わりだ。
いや、もしかしたら笑われるかもしれない。
それっきり連絡取れなくなるかも…
「なぁぁぁぁ!!」
頭を掻きながら、苦悩する。
僕の悪い癖だった。
物事を悪い方へ悪い方へ考える。
そのくせ、本当は心のどこかで期待しているのだった。
「よし!」
決意のこめ、携帯を手に取る。
「大丈夫だ、デート(っぽい事)だってしてるし。」
指が通話ボタンに近づく。
「嫌われちゃいない、嫌われちゃいない…」
自分に言い聞かせて携帯のボタンを押す。
…『新規メール作成』
つくづく根性無しなオレ…
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