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僕の部屋は耐えられない暑さになっていた。
僕は、元から細い目をもっと細めながら、暑さの元凶に扇風機(爆風)を向ける。
「おい!孝秋、風強すぎるぞ!」
元凶その1が文句を言ってきた。
仕方がないので元凶その2に風を向ける。
「ちょっ、遠山クン止めてよぉ。」
バカップル…
「オレの話を聞けぇぇ!」
僕は、雅との事を相談しようと友成と大野を部屋に呼んでいた。
というか、この事を話せるのがこの二人しかいないのだ。
なのに…
二人ときたら、僕が一階に行ってる間に、持参したお菓子を開け始め、勝手に盛り上がってしまっていた。お前らは何しにきたんだ!と言ってやりたい気分だ。
「お前らは何しにきたんだ!」
…言ってやった。
「…って訳で、お前らどう思う?」
今までの事を大方話すと、二人は唸った。
「友達だろ。」
「友達じゃない?」
予想はしていたものの、やはりショックだった。
「だって、遠山クンも雅ちゃんも一度もお互いを好きって言ってないんでしょ?」
その通りです…
「おまけに今だに手も繋いでねぇ、と。」
ごめんなさい…
「付け足すとな、今日の大野見て思ったんだけど、あいつのちゃんとした笑った顔、まだ見た事ねぇんだ…」
僕が雅と出逢ってから、今まで彼女の笑顔を見たのは、一度だけだった。
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