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「あっ!遠山クン、ちょっと待って。」
そう言うと、大野は僕の腕を掴んで小声で話し始めた。
「あの子、お姉ちゃんに頼まれてきたんだけど、遠山クンあの子と遊んできてちょうだい?ね、お願い!」
そう言って返事も聞かずに友成と行ってしまった。
振り返るとそこには、同い年だろうか、髪の長い女の子が立っていた…すごく冷たい目で。
第一印象は、かわいい だった。クラスメートにもこんなかわいい子はいないと思った。
けどすぐに違う気持ちが浮かんだ。言葉に言い表わせない。
なんだろう…痛い…?
自分でもわからない感情を抱きながら、ただボーッと女の子を見ていた。
すると、女の子はますます不愉快そうな顔になっていった。
(!なにか話さなきゃ)
僕は、自分が彼女に見惚れていた事に気付くと、慌てて言葉を探した。
「あ…オレ、遠山 孝秋っていいます。えっと…キミのにゃまえ(名前)は?」
咬んだ…しかも敬語だし…
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