橙色~プロローグ(第一部)

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「あっ!遠山クン、ちょっと待って。」 そう言うと、大野は僕の腕を掴んで小声で話し始めた。 「あの子、お姉ちゃんに頼まれてきたんだけど、遠山クンあの子と遊んできてちょうだい?ね、お願い!」 そう言って返事も聞かずに友成と行ってしまった。 振り返るとそこには、同い年だろうか、髪の長い女の子が立っていた…すごく冷たい目で。 第一印象は、かわいい だった。クラスメートにもこんなかわいい子はいないと思った。 けどすぐに違う気持ちが浮かんだ。言葉に言い表わせない。 なんだろう…痛い…? 自分でもわからない感情を抱きながら、ただボーッと女の子を見ていた。 すると、女の子はますます不愉快そうな顔になっていった。 (!なにか話さなきゃ) 僕は、自分が彼女に見惚れていた事に気付くと、慌てて言葉を探した。 「あ…オレ、遠山 孝秋っていいます。えっと…キミのにゃまえ(名前)は?」 咬んだ…しかも敬語だし…
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