二十歳。彼女なし。今の俺。

3/6

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
 そんなこのS市は今では立派な大学都市だ。くそ田舎くそ田舎とさんざん言ってはいるが、大学都市ともあり、集まる所はまあまあな施設が集まっている。有名なファーストフード店やファミレス、コンビニ、大手スーパーなどなど。生活には困らない。しかしまあ発展途上なもので、一歩でもその密集地から外に出れば、やっぱり山しかないからくそ田舎には違いない。  そんなS市の某大学の理学部。女の子の人口密度はやたらめったら低く、二百人はいる理学部に二十人かそこらしかいない。十人に一人の割合。しかも、悪くいうつもりはないが、そんなに可愛くない。中には可愛い子もいるが、基本的にブサイク揃いだ。良くも悪くも理系の女。その言葉だけでイメージできる人物像と、現実はそう変わりはない。  どこかの塾の先生が言っていた。理学部ではないが、農学部の女の子の話だった。「家畜と比べても、どっちが飼われとんか分からんような顔してますけどねえ」と、ひっでえ暴言を吐いていた。ひっでえ言葉だと思ったが、俺は堪(こら)えきれずに爆笑してしまったのを覚えている。何故こんな例を挙げたかだが、理学部と農学部は果たしてそこまで差があるのか、と疑問を感じたからだ。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加