呼吸困難の理由は幸福です

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好きだ、どうしようもなく。 抱きついた、こいつの匂いで息がしにくい、でも幸せだ。 「そんなに俺が好きかぁ?」 「自惚れるなバカ」 こいつのタンクトップを握りしめる。肺いっぱいに吸い込んだ匂いを俺から出したくなかった。俺だけ、俺だけの! 「げほっ…、ごほっ!」 「おいおい、大丈夫か?」 「大丈夫っ…!」 でも、やっぱり息苦しくなってしまった。こいつの匂いで死んでしまうのも悪くない、が、呼吸困難にはなりたくない。まだ、息はしにくい。ちょっとずつしか息を吸い込めないが、まだこいつに抱きついていたい。まだ幸せを感じたい。 「…んなかわいいとヤりたくなんだろーが」 「いいよ、ヤっても」 「まじかよ」 そういうとこいつはヤりたいのは山々だけど、後でな、と笑った。せっかくこっちがヤっていいっていってんのに、もったいないな。 「…じゃあ」 「お?」 「まだこのままでいさせてよ」 「…いいぜ」 もっときつく抱きしめた。 (幸せな呼吸困難)
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