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「っ…く」
「よっ、と、大丈夫か?」
「あ、ありがとう」
けがをしてしまった。ナイフですこし傷つけられただけだが。ただ肉体(コードネームだ)におおげさに担ぎ上げられてしまった。恥ずかしい。これだから変に心配性なやつはいやなんだ。
「キットあるから、使え」
「いいよ、僕なんかに」
「お前だから使うんだろーが!腕貸せ!」
「むっ…」
なんだろ、今、きゅんとした。かっこいいとか思ってしまった。僕の馬鹿。言われた通りに腕を出す。まだ血が出ていて、この肉体バカはその血を舐めとった。僕はびっくりして少しフリーズ。
「な、なにし…」
「なにって、治療」
「舐めなくたっていいだろう!」
「毒がついてるわけじゃねえんだ。大丈夫だって」
そうやって笑う。信じられない!なにがってきゅんとした僕が!肉体が、かっこよくみえるなんて嘘だ!ない!へたれで筋肉が大好きなこんなやつ!
「っと、おっけー!」
「…」
「どした頭脳、真っ赤だぞ」
「うううううるさい!!」
(不覚っ!不覚だっ!)
091214
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