狼と猫

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そしてー… 輝が口をはなすと 「ありがとう…。」 そう…優しく微笑んで 俺の首筋に、牙をたてた ブチィッ! 牙が…俺の首筋にうまる 「あっ…いっ…!」 (初めて吸血されたときは…よく感じなかったけど、意識すると痛いもんだな…。) ゴクゴク…と、輝が喉を鳴らす。 「あっ…んっ…。」 はぁはぁと、息があがる 「ひかっ…る…!」 俺はそう言ってー… 眠りの世界へはいった。 ー…。 『魔界』 「あんれぇ〓?まさかのルイ君が、吸血鬼逃がしちゃったのー?」 クスッと笑いながら俺に言う奴。 「べつに…。」 こいつは俺のことが嫌いだから、さぞかし俺が吸血鬼を逃がしたことが、嬉しいのだろう。 「グレル…相手があいつだったんだから、さすがのルイでも、初めは逃げられるだろう。」 俺の隣に座って言うのは親友のロイド。 「いいよ…べつにグレルが何を言おうと…逃がしたのは事実だ。」 俺はテーブルにおかれたコーヒーを飲む。 すると、バンッと俺の耳元を何かがかすって、後ろのガラスが割れた。 「…そういうさぁ、クールなところがムカつくんだよ。」 銃を俺にあてながら言う 「…べつに、気取っているつもりはない。」 俺は、またコーヒーを啜った。 .
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