狼と猫

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奏司side 俺は修弥に「トイレに行ってくる」と言って、教室を出た。 まぁ、トイレには俺のクラスの奴がいるわけで… 俺は、違う階のトイレに行った。 思ったとおり人はいなく、俺はトイレの鏡を見る。 「あいつー…。」 修弥は、あの転校生を追い掛けて戻って来なかった。 今日は学校に来ていたけど、聞いても「サボッた。」しか言わない。 「修弥…。」 俺はずっとお前を見てきたんだ…なのにっ! ガシャンッ! 俺は鏡を叩いた。 滴る血ー…。 「修弥ー…。」 こんなに、好きなのに。 「ねぇー…そんなに月岡修弥が好きなの?」 「っ!」 声がしたー… 俺しかいなかった、はず 「あはっ…びっくりしないでよ、血のにおいに誘われて来ただけなのに」 声のほうを振り向くと、そこには小さい黒髪の、金色の目をしたー… まるで、猫のような少年がいた。 「ねぇ…?そんなに好き?そんなに、ヒカルが憎い?」 ニヤッと笑いながら聞く少年。 「ひ…かる…?」 ってー… 「夜塔輝…昨日来た転校生。」 そう言うと、少年は俺の血がながれている手をとり、ペロッと舐めた。 「ー…っ!」 「クスッ…ねぇ…俺が、協力してあげよっか?」 .
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