例えるならば

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―アルカディア・日向の丘― 「ここはなんて景色がいいんだろう」 意識とは裏腹に、勝手に足が動く。 ただ自分の感性の赴くままに行き進む。 その姿はまるで見目麗しい女性かの様に思える姿だった。 一般の人が彼の姿を知る者はいない。 名前こそは有名だが、めったに人前に現れず、正体は不明と言われているから。 彼の名はセイラン。 ここアルカディアで新宇宙女王アンジェリークの感性の教官を勤める。 感性は自分が感じたこと、心動かせる様な事。 今日は天気がいいから、少し外出。 周りの皆が言う様に、彼は気分屋である。 何処ででも寝れるし、何処ででもご飯は食べる。 彼は彼の好きな様にする。 口から出てくる言葉は大体皮肉だが、言う事は感性で溢れている。 「菫色に染まる前に何をしようかな」 日が暮れる…夕方まで。
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