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カランコロン
ゆかた姿に下駄を履いた彼がふと足早になり金魚すくいのテキ屋の前で膝を折ってしゃがんだ、なにやら店主と思われる50歳くらいのおじさんに「金魚って元気に見えてて結構短命なんだよなー」とか言っている。
「どうせ弱ってるのから店に出してるんでしょー? 元気なのは次回に持ってこようみたいなさー」
あら? イチャモンを付けてるわと思い彼に近づいて横にしゃがむと彼がしっかり金魚すくいのポイを持っているのが確認できた。
「こう見えて金魚すくい…アマチュア2段を持ってます」
アホそうな顔でおどけている。
そして彼はポイを使ってひょいひょい金魚をすくい始めた。
あ? れれ?
結構凄いかも???
10匹くらいすくうと子供たちが集まって「オジサンどうやったらうまくすくえるー?」などと聞かれ始めた。
「これはコツがあって… てか俺オジサンじゃねーって まだ20代だっての」物凄い鼻息で子供相手にムキになっている。
そんな彼の隣で肩を並べて金魚を見ていると一匹だけ薄いピンクの金魚が目に入った。
私は綺麗なので「この金魚すくってよ~」とおねだりを試みた。
しかしテキ屋のオジサンは
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