最初

2/4
239人が本棚に入れています
本棚に追加
/98ページ
魔法世界エグゼク さまざまな国が復興と滅亡を繰り返している中、また一つの国が滅びようとしていた。 大国ーセム…王座の間前 大きな、そして、煌びやかな門の前に一人の人間がたっている。 全身を銀色の鎧で固め、手には人間の身の丈ぐらいの刀を持っている。 そして背には、輝く一対の翼…。 普通なら誰もがその姿に目を奪われ、その姿を賛美するだろうが、あいにく観客達はもう動かない肉壊となって転がっている。 その赤い体液を全身に浴びながらも、炎の光を反射するその姿はなお美しい。 人間が肉壊を踏み潰しながら扉の前に立つ。 刀を構える。 一閃………。 扉が音もなく崩れ落ちる。 ーワアアアァァァー 扉が破られると同時に大量の兵士が入り口から出てくる。 今度は横に刀を振るう。 また、一閃…… だが兵士たちは何事もなかったように走り続けている。 たがあと人間まで残り、一㍍というところで全員が倒れる。 ー否……。 倒れたのではなく、上半身が落ちたと言った方が正しいだろう。 人間がまた何事もなかったように血だまりと肉壊のなかを歩いていく。 ーガシッ…。 突然、足を誰かに掴まれる。 「……?」 人間は怪訝に思い足元に目をやる。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!