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―――あ、誠さんの匂い…
腕の中から香る体臭にこのまま強く抱き締めてしまいたい衝動に駆られる。
けれども蹲る澤木の顔色はこれ以上無い位に青ざめて、見る者の胸を突く。
「少し横になったら?起こしてあげるし」
「いや…シャワー浴びる。やっぱコーヒー淹れてくれへんか」
「判った。用意しとく」
浴室に消えた澤木の後ろ姿を確認すると、陽一はほっと溜息をついた。
「…っくしょ…!」
澤木の事が特別な存在になったのはいつからだったろう。
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