序章

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「なあ、ほんまにええのんか…?」 運転席に座った男が訪ねる。 パリッとしたスーツから覗くネクタイは綺麗な千鳥格子模様だ。 落ち着いたいでたちの瞳が見詰めているのは助手席の青年。 「かまへん。俺はあんたと一緒がええって言うてるやんか。 …死ぬ時もいっしょや」 あと数日で高校の卒業式という青年は、その姿からは想像できないくらいの強い口調でその男を睨み返した。
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