問.2

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数学担当の教師である浪川爾瑯(なみかわ・じろう)はまだ、歳が若いこともあり 生徒とも砕けた態度を取れる教師だった そのせいか生徒からも割り合い好かれる教師で密かに人気もある 「別に数学なんか出来なくても将来必要ないし」 「最低限の足し算とか出来てれば充分じゃん」 他の補習仲間の言葉に春も力強く頷いた ただ若干その最低限が怪しいときもあるが、その事実を今は都合よく忘れている 「あのな、そういうのは英語が出来ない奴が、日本人だから日本語だけ喋ってれば充分だとか、海外なんて行かないからいいとか。言うのと一緒の屁理屈なんだよ。 将来必要なくても今必要で、そんな将来役に立たない事を勉強するのが学校って場所だ。今更なこと言って反抗すんな。補習の時間が伸びるだけだぞ」 それ以上は誰も何も言い返すことが出来ず、補習授業は開始された
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