問.1

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その言葉にクラス中が周りの友人達を見回した 視線の先の教師の嘘くさい笑顔に嫌な予感がヒシヒシとする 「このクラスからは15点を取った相沢が参加決定。おめでとう!」 「別に発表しなくていいじゃん!!」 予想通り全員の前で言われた、たった一人の補習参加者 相沢春(あいざわ・はる)はデリカシーもクソも無い教師に軽く切れる 「黙ってたってバレるだろ、相沢一人しか受けないんだし」 「そうかもしれないけど!」 クラスメイトからは笑いや励ましの言葉が向けられる 春は恥ずかしさと情けなさで軽く落ち込みそうになった 「まあ、春は数学苦手だもんな。諦めて補習受けろよ」 「そういう多田も22点でギリギリだからな、お前も一緒に受けるか?」 「関係ないオレの点数まで言わなくていいし!!」 春の隣に座っていた多田雅寛(ただ・まさひろ)は、まさかのとばっちりに 自分の点数をバラされた事に驚く
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