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さて、その頃零迩は、
「ここで待ってりゃさすがに会うだろ。」
レジの前で銀次を待っていた。
確かに銀次は何かを買うと言っていたから、これは賢い考えである。
案の定、待ってから約15分、銀次が会計を終えて出てきた。「やっと出て来たか・・・」
そう言うと銀次に近づいて行き、
「目当ての物はあったか?」
そう言って銀次の肩を叩いた。
銀次は振り返ると
「ああ、あった。さてと、お前の神姫を買いに行くぞ。どうせ昨日の内に選んであるだろ?」と言い歩き出した。
「当たり前だ、あんなたくさんある中から選ぶのはさすがに骨が折れる事だったけどな。」
零迩はそう言うと銀次についていき歩き出した。
再び神姫が置いてあるコーナー。
つくやいなや零迩は神姫を探し始めた。「んじゃ俺はここにいるから。」という銀次の言葉を聞かんばかりの勢いで探している。
そして約10分後。
「あ、あった。」と零迩は言いつつその見つけた物を持って待っている銀次の方へ歩いていき、銀次に「見つかった。さ、会計行くぞ。」と言い銀次は「了解。」と短く言い零迩のあとをついていった。
会計に向かう途中、銀次は零迩に何気なく質問してみた。
「そういやお前はどの神姫を買ったんだ?」
そう言うと「ん、これだよ。ネットで見たときに一目で気に入ってな。」
零迩はそう言いつつ持っていた神姫を銀次に見せた。そこにあったのは「セイレーン型エウクランテ」という名前が箱に書かれた神姫、そうまさに昨日零迩が最後に見た画像のと同じ神姫があった。
銀次はそれを見ると「そいつを・・・選んだか・・・・・」と少し驚いた口調で言った。すると零迩は
「え?なに?さっきも言ったけど気に入ったから選んだんだが?何か問題でも?」と、あくまで普通の口調で言った。
すると銀次は「いや、違う、ちょっと思う所があったんでな。何でもない」と、即座に切り返した。零迩は「ふーん、ならいいや。」そう言うと再び歩き始めた。
「苦労するかもしれないぞ・・・・・」という銀次の言葉も聞かずに。
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