Prologue

2/4
前へ
/522ページ
次へ
―あの日は確か… まるでバケツをひっくり返した様な、どしゃ振りの雨だった。 深い眠りの中で どこかへ転がり堕ちていく様な、そんな悪夢を見ていた途中。 私の枕元に一定のリズムで奮え続ける マナーモードの携帯が あまりにもあまりにも五月蝿くて。 一体誰だろう、と 暗がりの寝室のベッドの上で 薄目で携帯を開いてみると 全く知らない登録外電話番号だった。 寝惚けた頭でぼんやりと 僅かな疎ましさすら感じる。 電話に出る事を躊躇う訳でもなく、 無視しようと決めた瞬間に 調度良く振動は止んだ。
/522ページ

最初のコメントを投稿しよう!

77人が本棚に入れています
本棚に追加