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「美味しい……」
母が作ったちらし寿司を口にした途端
私はポロポロと涙を零す。
こんなにもお母さんの料理って美味しかったっけ…
なんて頭の何処かで呟きながら
また母の手料理を
食べる事の出来ている今の自分に
勝手に感動して涙が出ていた。
「あら、どうしたの?
麻衣、大丈夫??」
母が不思議そうに心配そうにそう言って
私にティッシュをそっと渡す。
「ごめん…本当に美味しくてつい泣いちゃった…」
…幸せは決して目には見えない所にある。
"あたりまえ"の中にある。
私は帝さえ居てくれれば
他には何も要らないと本気で思ってた。
家族も。友人も。
なんて、馬鹿だったんだろう。
私は当たり前だと思って
気付けなかった自分の幸せに
本当の意味でやっと
この時気付けたみたいだ。
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