蛇の牙

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「誘拐…か、ひどい言い草だ…、それに、未遂だと?」 「ああ未遂だ、何故ならおまえ達はこの後、蜘蛛の子を散らすように逃げ出すからだ」 挑発、明らかに挑発だ と、それに乗ったのか、パダと呼ばれた女性が鎖を投げる しかし、美女はそれを避けることなく、自らの体を打たせる 「…?避けない?」 パダは眉をひそめて、鎖を手元に戻す 「ん、なかなか痛いな」 美女(しつこいが、これ以外の表現が見つからない)は打たれた左肩をさすり、淡々と呟く まったく痛くなさそうだが 「…FU?ツァイコフ、こいつ…武器を持ってないぞ」 「…何?」 「それどころか、鎧も帷子も着けてねぇ…」 クラッチの推察に、淳は、えっ、と漏らす と、美女は微笑む 「当然だ、この下は」 ばっ、とコートの前を広げると、黒くて色っぽい… 「パンツしか履いてない」 「ぶふあっ!」 淳の鼻から鮮血が吹き出る 生だ、生を見た、見てしまった 健康的な肌色の… 「おや、少年には少し刺激が強すぎたか?」 クスクス、と笑うが、こっちは決してそれどころではない 「…H、HAッ!なかなかいいモン持ってんじゃねぇか!」 「気にするなクラッチ、世界は広い」 口をひくつかせるクラッチと、それをなだめるツァイコフ、そっと自分の胸を撫でるパダ… ―――…そんなにすごいんだ… よく見えなかったので、想像が膨らむ すると突然、美女が、おっ、と何かに気付いたように呟く 「残念、そろそろ時間だ」 「…時間だと?」 ツァイコフは怪訝な顔をする
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