暗き洞にて

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淳は女性を担いで、ロノがユーリフに肩を貸して、四人は洞窟から脱出した 幸い、害のあるモンスターには襲われなかった 外の草原で、適当な場所を探して、二人を寝かせる 女性の方は、先程から落ち着いた呼吸をしていたが、ユーリフは焦点の定まらない目で、空を見上げていた 息は荒く、擦ったような音の吐息が漏れる 淳が、そっと彼女の髪を撫でると、目を閉じて、息を落ち着けようと深呼吸をする 「…ジュンさん」 ロノの呼び掛けに、女性を看ている彼女を振り返る 少し切れた二の腕から、血が滴っていた 「…どうして、この人が私達を襲ったのか、教えておきます」 「え…捕まってたんじゃ…」 頭を横に振り、淳の考えを否定する 「ジュンさんは、もう、『能力』のことは知っていますよね」 頷く 「たしか、ガナト・ヴィスンの人は、一人ずつ、特殊な力を持ってるんだよね」 「はい、それは人によって、実に様々です、私やユーリフちゃんのような、『魔術特化型』、アイゼンちゃんのような、『身体能力特化型』、そして…」 ちら、と視線を落とす その先には、先程救出した女性 「この人のような、『身体異常型』…」 「『身体異常』…って、どこが?」    文字通り、『身体異常型』は体のどこかに異常を持っている 文献の例だと、背中に翼が生えていたり、足が獣のそれだったりしたが、この女性には、特に目立った部分は無い 「目に見える異常が特徴とは限りません、この人が目覚めればわかりますよ」 そう言って、ロノは座り直した 淳も、ロノの言葉の真意を知るため、体をそちらへ向けた
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