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「すまない、俺はジェダ、ノイスのこと、感謝する」
彼女は、座ったままながら、深々と頭を下げる
淳は、にっこりと微笑んでから、自己紹介をする
ロノとユーリフも、一緒に紹介した
そして、洞窟内での出来事を話した
すると、ジェダは淳から目を逸らし、視線を下げる
「…そうか…それは『暴発(ゲヘアデン)』のせいだろう」
「『暴発』…?なんですか、それは?」
淳が不思議そうに首を傾げると、ジェダは怪訝な表情で彼を見据える
と、ロノが淳の前に踊り出る
「えっと、この人は訪問者なんです、ガナト・ヴィスンの知識は、あまり無いんです」
ジェダは、訪問者、と聞いたところで、驚いたように目を見開いたが、すぐに平静を取り戻す
「そうか、訪問者…なのか…」
彼女は、頭を振り、ため息をつく
「…あの、二人共…あれ…」
ロノが控え目に手を挙げ、何かを指差す
ジェダは振り返り、指の先を目で追う
遠くに、馬が走る姿を捉えた
その背後には、大きな荷台がくっついていた
○
「『暴発』とは、基本的に『能力』の過剰発動が原因で起こるんです」
時折激しく揺れる馬車の中で、ロノが説明を始める
引き止めて、事情を説明したところ、御者の厚意によって、乗せてもらえたのだ
衰弱したユーリフとジェダは、比較的楽な姿勢で休ませている
「例えば、ユーリフちゃんが、制御出来ない魔術を使おうとしたり、使ったりすると、『能力』が正常に機能せず、指向性が無かったり、術者の精神に異常をきたします」
それが『暴発』です、と付け加え、ロノはジェダを、ちらりと見る
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