暗き洞にて

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「どうして、ジェダさんの能力が『暴発』を起こしたのかは、だいたい予想がつくでしょう?」 「え?」 キョトン、とする どこにわかる要素があったのだろうか ロノは、やれやれ、と呆れた風に頭を振る 「ジェダさんは、岩をなんかする『能力』なんですよ」 「あ、そういうこと?」 岩をなんかするのはだいたいわかる しかも、淳にはなんとなく予想がつく 「…『磁鎖(マグニート)』」 ジェダが、ぽつりと呟いた 「それが俺の『能力』だ」 「『磁鎖』…というと、やはり『身体異常型』なんですね」 ロノの指摘に、ジェダは頷き、自身の左手を挙げる ?と淳らが訝しむように彼女の左手を凝視すると、腕が徐々に黒ずんでいく 直後、何かが淳の頬を掠め、それは、ガチン、と硬い音を立てて、ジェダの腕に吸い付く 「えっ」 少し切れた頬を撫で、ジェダの腕に沿えられている、ロノの槍の穂先を見る 「『磁鎖』は、体に強い磁力を持たせる『能力』だ」 「…じ、磁力…」 「この腕は、『能力』を発動させた瞬間から、徐々に磁力を帯びていく…調整が利くから、軽い鉄を引き寄せるくらいなら、造作もない」 ジェダが息を吐くと、黒ずんだ腕は、元の健康的な肌に戻る もちろん、穂先は磁力を失った腕にいつまでも吸い付いていられるわけはなく、ゴトン、と重い音を立てて落ちる 「俺は『磁鎖』がコントロール出来る磁力を越えたんだと思う…それが『暴発』のきっかけだろうな」 彼女は視線を元の虚空に戻し、黙りこくった それと同時に、もう一つ、疑問が芽生えた 「…あれ?調整が出来るんだとすると、どうして制御出来なくなるくらいに…?」 淳の呟きに、ジェダはほんの少し目を泳がせた
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