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「HYU!術式を作るのが速いな!得意っつーレベルじゃねぇ!」
「うるさい!私はちびじゃない!」
「あの…話が噛み合」
「あんたは黙ってて!」
思いきり殴られる
半ば八つ当たりと化しているユーリフの拳は、ものすごく重い
「…HA、同情するぜ」
可哀相な物を見る目で言われても嬉しくない
「きゃあっ!」
ロノの悲鳴に、すぐにそちらを向く
足から血を流している
彼女に向かっている帽子の女性が握っているのは、拳銃
「ロノォッ!」
その場に寝転がってしまったロノに駆け寄る
「う…か、かすっただけです…」
絶対、そうには見えない
撃ち抜かれている
目を背けたくなるほど、出血している
ぎり、と歯を噛む
「何なんだ!あなた達は!」
叫んだ
なるべく威圧するように
「君を連れていく者…では、不満かな」
だが、繰り出された言葉は冷静で、些かも怯んでいない
唐突に、背中に固い物が触れる
「少し黙ってろ…殺さないだけマシだ…」
「イブニング、撃つなよ」
イブニング、というらしい女性は舌打ちをして、銃口を離す
「殺すな、か…面倒くさい…」
直後、振り返った淳の左手が銃を弾く
「…あ?」
振り返ったそのままの勢いで、イブニングの延髄部分を
「ごめん!」
叩いた
帽子が落ち、ぐらり、とイブニングの体が揺れる
「HA!マジかよ!こいつ!」
クラッチの近づく気配を感じ取り、振り向く
が、そこにいたのは
裸絞めをかけられているユーリフだった
「…!」
「CHI、CHI、CHI…、喧嘩売る相手…間違えてんぜ」
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