一路、東の国へ

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アルバシア ガナト・ヴィスンにある、三国の一つ その国はチームを持たず、もっぱら軍が国内の事件事故、そして依頼を果たす そのアルバシアに、何故か来ている チームの自分達が 「さて、もうすぐ都だ、歩け歩け」 とても元気なニヒトと、三日間、休みを挟んでいるとはいえ、歩きっぱなしでとても疲れている淳達 「…もうすぐ、って…、一昨日同じ台詞聞いたけど…」 ユーリフが疲労感たっぷりの声色で文句を垂れる 「ふふ、そうだったか?」 「そもそも、飛空船も、どうして都へ直通する便と最寄りの飛行場に向かう便を間違えるのよ…!」 「チケット売り場が隣だと間違いもするだろう」 「自分で買えばよかった…」 そんなことを言っても後の祭りなわけで 「ふふ、日頃の運動不足を解消するのも良いだろう」 「何が運動不足だ…!」 やいのやいの言い合う…と言っても、ユーリフの一人相撲な気がするが…二人を見て、後ろの淳とロノは苦笑する 「仲良しですね」 「そうだね…、疲れてる人と疲れてない人だけどね…」 だが正直、あの二人の関係には違和感がある いつもはクールなユーリフが、ニヒトに対してはかなり感情的になる いまどきの女、って感じだ 一方のニヒトは、悪びれもせず、調子にも乗らず、ユーリフの口撃をいなし続ける 時に冗談、時に言い訳も交え、実にずるい大人だ 身長差も相まって、母親に駄々をこねる子供のような 「あ?」 睨まれたので、一歩たじろぐ ―――…なんでわかるんだろう…そんなにわかりやすい顔してるのかな…
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