一路、東の国へ

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しばらく歩き、小さな丘を登る 既に棒のような足に、坂は厳しかったが、なんとか登り切ることが出来た 一足先に登ったニヒトが、早く来い、と促す 後続の三人がようやく丘の上に立つと、前方に大きな建造物の集まりがある 「ようやく見えたな、あれがアルバシアの首都、『センタイ』だ」 「…首都…」 なんだか、中国の歴史的建造物のようだ 遠くからでもわかる、真っ赤で巨大な建物が、城だろうか 「少年は見覚えがあるのではないか?」 急にニヒトが聞いてきた 「え?」 「現在のアルバシアの技術は、ほとんどが訪問者によってもたらされた物だ、もちろん、建築技術もセンスもな」 なるほど、と合点がいった 昔、どこかの建築家が訪問者としてガナト・ヴィスンにやってきた時、伝えられたのだろう しかし、見覚えはたしかにあるが 「ここまでそっくりなんて…」 もはや、あれは地球のどこかの地域だ、と言っても過言ではない 「ほぅ、訪問者の少年の太鼓判が押されたか、我が国の技術もずいぶんテラ寄りだというわけだな」 「…え?」 意味不明なワードが聞こえた 「…我が国?」 「あぁ、我が国だ」 硬直 「まさか…、王様…」 「ふふ、見えるか?」 はっきり言って見えないが と、頭をはたかれる 振り返ると、ユーリフが呆れ顔で見下ろしていた 「あんた…馬鹿でしょ?『皇(スメラギ)』はちゃんといたわよ」 「あ、そうなん…『いた』?」 『皇』というのが首脳の称号であることはわかるが、ユーリフの言い回しに疑問がある
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