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「げほっ、えほっ…うぅ…すごいホコリだ…」
淳は髪の毛をホコリだらけにしながらも、はたきで棚の上を掃う
「ジュンさん、それが終わったらフライパンの焦げを落としてくださいね」
背後でロノが早くも次の指示を出す
正直、こんなにも辛いものだっとは
淳がリヒト・レーゲンに入って五日が経った
そもそも、リヒト・レーゲンのハウス(事務所兼専用の住まいのこと)に入れさせてもらえるかはまったくの賭けだった
打ち合わせも何もせず、ただ、入れさせて、と懇願したのだ
ロノは、淳が再び自分達の前に現れて驚いていたようだが、すぐに受け入れてくれた
ユーリフはというと
「ジュン、依頼人が来るから、お菓子とお茶を用意しておいて…あ、あとソファーシーツ整えておいて」
という感じ
二人共、実に上手く人をこき使う
チームには一人一人に役職があるんです、と言われ、体よく雑用係にされた
そして、めちゃくちゃ使われる
めちゃくちゃ疲れる
ベッドに入ると、もうすぐさま熟睡してしまう
そして朝起きると、朝食作り
後片付け
昼食作り
後片付け
掃除
肩揉み(これだけは本当に違う気がする)
夕食作り
後片付け
マッサージ(これもなんか違う)
こんな流れが四日続いた
「はあ…なんだか家政婦さんみたいだ」
この場合、もはや、そうだと言われても否定出来ない
「じゃあ家政婦さん、今度は余分なソファーを二階へ持っていってくれない?依頼人は一人だし」
もはや自分は家政婦なのか一般人なのか、それすらわかんなくなった
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