薔薇の十字架

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路地裏から飛び出した女性は、上手にくるりと受け身を取る 「よっと!やっぱり、かくれんぼじゃあんたに分があるようだね」 すっく、と立ち上がったその女性は、黒の簡易の鎧に、走りやすそうな、スリットの入った短い…いや、本当に短い… 「ぶっ!」 淳の鼻から、真っ赤な鼻血が噴き出る 「「「…え?」」」 チェーンソーを向けられながら鼻血を押さえる様子は、それはそれは何とも言えなかったそうな 「あぐ…パ、パンツ…見えてます…」 そう、淳は押し倒されて仰向けだったため、近くに降り立った女性の下着が見えてしまったのだ 女性は極短ワンピースの裾を押さえながら、すりあしで淳から離れてやる 「あ、ありがとうございます…」 「…最低」 ユーリフの冷たい言葉がぐさりと突き刺さり、淳は誰もいない方を向く というわけで仕切り直し 「やっぱり、かくれんぼじゃあんたに分があるようだね」 「やっぱりあなたでしたか…アイゼンちゃん!」 「え、顔見知りなの」 淳が振り返ると、ユーリフが遠くで こっちを向くな、と口を動かしていた 大人しく視線を戻す 「ジュンさん、この人は私のお友達のアイゼンちゃんです!」 ロノが答えてくれたが、淳は、あぁ、そうなんだ…、としか返せない 「な、なに言ってんだい!いくら昔近所に住んでて、同い年だったからって、友達…うーん…友達…」 何故考え込んでいるのだろうか いやそれよりも 「お、同い年!?ってことは、君は16歳…」 驚いて振り向くと、ユーリフに睨まれた しかし、体つきといい、身長といい、とても16歳には見えないくらい発育が良い 「何考えてるの」 「な、なんでも…」
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