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リーダーであるアイゼンの作戦はこうだ
1、訪問者を拉致する
2、ミッションコンプリート
正直、さすがだと思った
ただの任務内容の確認かと思ったら作戦だった
しかも、無駄なことの一切合切を切り捨て、二つまでまとめてしまった
やはりアイゼンは天才だ
と、その時、街の中から緑色の髪を揺らした人物が走ってきた
間違いない、アイゼンだ
「ルルリット!行くよ!」
「あいあいしゃー!…ってアレ?ゼリューは?」
「わかんないけど、待ってるわけにはいかないよ!なあに、あいつなら問題は無いさ」
アイゼンはその腕に抱えている鼻血を噴いている訪問者らしき男の鼻をちり紙で拭い、馬車に乗せる
「よし、出しな!」
そう言った瞬間
バキィ、と馬車の天井に穴が開き、水が流れてくる
「なっ…」
「ゥアイズェンちゃあぁぁぁぁん!」
まさか
この声は
物干し竿が、バキコーン、とアイゼンの頬を叩いた
「ぎゃあぁぁぁぁぁ!」
そのまま、すっぴょーんと馬車から文字通りたたき出されてしまう
「ジュンさん!大丈夫ですか!?」
ロノが馬車の戸を開ける
「ロノ!よかった、無事だったんだね!」
「無事です!ユーリフちゃんがお腹痛めちゃいましたけど!」
ロノは馬車の中に乗り込み、淳を引っ張り出す
「リーダー?もう出していいんでしゅか?」
外でルルリットが聞いてくる
二人はばれないように、こっそりと馬車から脱出する
その時、なんだか暗くなったような気がした
足元には大きめの影
「はあっ!」
どん、と蹴りが一発
ロノが吹っ飛ばされてしまう
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