881人が本棚に入れています
本棚に追加
一方のちっちゃい二人は揃って魔術を唱えている
どちらが先に魔術を発動出来るのだろうか
アイゼンが、跳びながら右足の蹴り、着地してからの左バックキック、その左足でロノを押し、よろけたところで、振り返りつつ右、左、右と連続して、かつ舞うように近付きながらの蹴りを食らわす
アイゼンの蹴技、
『連舞(チャオユウ)』
しかし、ロノもそれらをなんとか受け止め、距離を取る
すかさず疾走で詰め寄る
もう一度連舞を繰り出す
間髪を入れないアイゼンの蹴りに虚を突かれたロノは、連舞の全ての蹴りを受けてしまう
「んぐっ…」
蹴りを受けた腹を押さえつつ、すり足で後退したロノを、アイゼンはまたしても疾走で彼女の目の前へ
「これでとどめだよ!」
先程のドロップキックだ
だが、今度はロノも受け流したり、避けることは出来ず、胸にそれを直撃させられてしまう
「…っ!」
「どうだい?キレを増した『蹴突(ティーダ)』の威力は」
着地したアイゼンの勝ち誇ったような笑み
対するロノは大きくよろけ、背中から倒れる
「「ロノ!」」
「ぼーっとしてる暇はありましぇんよ!」
ルルリットが叫んだかと思うと、ユーリフの身体の自由が奪われる
「!…拘束魔術…!」
「しょうでしゅよ、これであなたはなにも出来ましぇん!リーダー!」
「よしきた!」
ルルリットの声に合わせて、アイゼンが疾走でユーリフに向かう
そして、胸に膝を寄せ、一気に押し出す
だが、それがユーリフに当たることはなかった
「…あり?」
何故か空振りしたドロップキックのため、かなり遠くで着地したアイゼンは、ユーリフがいた場所を振り返る
最初のコメントを投稿しよう!