薔薇の十字架

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一方のちっちゃい二人は揃って魔術を唱えている どちらが先に魔術を発動出来るのだろうか アイゼンが、跳びながら右足の蹴り、着地してからの左バックキック、その左足でロノを押し、よろけたところで、振り返りつつ右、左、右と連続して、かつ舞うように近付きながらの蹴りを食らわす アイゼンの蹴技、 『連舞(チャオユウ)』 しかし、ロノもそれらをなんとか受け止め、距離を取る すかさず疾走で詰め寄る もう一度連舞を繰り出す 間髪を入れないアイゼンの蹴りに虚を突かれたロノは、連舞の全ての蹴りを受けてしまう 「んぐっ…」 蹴りを受けた腹を押さえつつ、すり足で後退したロノを、アイゼンはまたしても疾走で彼女の目の前へ 「これでとどめだよ!」 先程のドロップキックだ だが、今度はロノも受け流したり、避けることは出来ず、胸にそれを直撃させられてしまう 「…っ!」 「どうだい?キレを増した『蹴突(ティーダ)』の威力は」 着地したアイゼンの勝ち誇ったような笑み 対するロノは大きくよろけ、背中から倒れる 「「ロノ!」」 「ぼーっとしてる暇はありましぇんよ!」 ルルリットが叫んだかと思うと、ユーリフの身体の自由が奪われる 「!…拘束魔術…!」 「しょうでしゅよ、これであなたはなにも出来ましぇん!リーダー!」 「よしきた!」 ルルリットの声に合わせて、アイゼンが疾走でユーリフに向かう そして、胸に膝を寄せ、一気に押し出す だが、それがユーリフに当たることはなかった 「…あり?」 何故か空振りしたドロップキックのため、かなり遠くで着地したアイゼンは、ユーリフがいた場所を振り返る
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