881人が本棚に入れています
本棚に追加
―――は、恥ずかしい…みんなじろじろ見てるし…
さすがに男がこんなプラカードを持っていたら、不思議に思うのは当然だろう
奇異な目で見られるのに慣れていない淳は、いてもたってもいられない
それに、かれこれ30分はここにいる
一時間で場所を変えるのだが、ここはまた一段と人が多い
まさに辱めだ
何故か、ユーリフの言うことに逆らえない
いつも二つ返事で了解してしまうのだ
まあ初対面で悪い印象を与えてしまったこともあって、これ以上嫌われたくないというのもあるが、大半は、有無を言わさぬユーリフに言いくるめられているのが原因だ
しかし、あまりに人が寄らない
やはり男なのがいけないのだろうか
はあ、とため息をついて、次の場所に行こうと、プラカードを下ろした時
誰かが近づいてきた
○
「…遅いわね」
「…遅いですね」
既に夜になってから長い
一応夕食はロノが作ったが、つくづく淳の料理が美味しい、ということがわかる結果となった
「まったく…どこをほっつき歩いてるんだか…」
「心配ですね…」
ユーリフが冷たく文句を言う一方、ロノは純粋に心配する
「どうせまた女の子の下着見てデレデレしてるんじゃないの?」
どうやらアイゼンの時のことを根に持っているようだ
「でも、もし悪い人に絡まれていたら、かわいそうですよ」
「…まあ、ね…」
ユーリフはどっかりとソファーに座り、少し思案にふける
最初のコメントを投稿しよう!