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そういえば、買い出しに行かせた時も、ガラの悪い女に絡まれたと言っていた
優男に見える外見上、絡まれやすいのだろう
だが、このままでは帰ってこないかもしれない
誰かの下着を見て、鼻血を出し、袋だたきにされているのかもしれない
―――…それはそれで見たい気もするわね…
「仕方ないわね、ロノ、ジュンを捜しに行きましょ」
「え、あ、はい」
ユーリフが、よっこらせ、と腰を上げた時だ
「ただいま~…」
ドアを開けて、淳が入ってきた
―――…なんだ、無事なんじゃない
ちょっと舌打ちしたが、淳にもロノにも聞こえなかったようだ
「あ、ジュンさん!遅かったじゃないですか!」
「ごめん、でも、依頼があるみたいだよ」
そう聞いた瞬間、ロノの目が輝き、ユーリフは、へぇ、と感心する
「よく捕まえられたじゃない、で、依頼する人は?」
少なくとも、淳の後ろについているわけではなさそうだが
すると、淳は横にどく
小さな女の子がそこにいた
おそらく、8歳ほどだと思われる
だが
「…淳、その子…」
ユーリフが険しい顔でその少女を見る
「うん、この子が依頼したいって言うんだよ」
「レタナ族…よね」
「え?」
「淳、その子はレタナ族よ」
淳が少女を振り返ると、少女は恐る恐る頷いていた
「あまり、人の多い所には出てこない、山や森に住む民族よ」
「へぇ、そうなんだ」
祖父から、レタナ族のことは聞いていたので、特に新鮮味は感じなかった
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