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レタナ族は、特徴として、頬や額に牙の様なフェイスペイントを施している
それから、耳の上端が尖り、衣服は年齢を問わず、動き易いへそ出しや、ノースリーブ、ホットパンツのような丈の短いズボンを履いている
「レタナ族はだいたいのことは自分達でこなすから、依頼してくること自体、聞いたことないわね」
依然として険しい表情のユーリフは、うぅむ、と考え込む
いつもなら、ずばずばと依頼を尋ねるユーリフが何故か黙っている
なにか、レタナ族相手だとまずいことがあるのだろうか
「…ユーリフ、受けてあげようよ、いくら子供だからって、この前の子みたいにちゃんと」
「違うわ、問題はそれじゃないの」
ユーリフはこめかみを拳で押さえ、なおも考え込む
いったい、なんだというのだろうか
しばらくして、ユーリフは考えるのをやめたように手を下ろすと、一回息を吐いて、淳が連れて来た少女と向き直る
「…ねえ、あなたの名前を教えてくれる?」
「…ノイス…」
少女は俯いて、ぽつりと名乗る
「ノイスね、あなたはレタナ族、間違いないわね?」
ノイスは頷く
「なら、あなたの依頼はレタナ族が、仲間が請け負ってくれるはずよね?どうしてバシュランのチームに?」
ノイスは黙り込む
ユーリフはこのことを予想していたようで、落胆するように息を吐いた
「ごめんなさい、悪いけど、あなたの依頼は受けられないわ」
ノイスは顔を上げる
「そんな!」
「…全てのチームには、ある決まり事があってね、他国に干渉する依頼は受けてはいけないの」
優しくも、残酷に突き放すユーリフの言う決まり事に、淳は聞き覚えがあった
正式な名前こそ覚えていないが、それは『国家間における、過剰な干渉を禁止する』、といった内容だった覚えがある
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