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国境を越える依頼は、原則として受けることが出来ない
それは、地球で言う治外法権に似た物でもある
簡単に言えば、全ての国はそれぞれ法律的に切り離されている
軍はもちろんのこと、かなり自由な行動が出来るチームも、活動をするのに、300日に一度、国家に、活動を認可してもらう必要があるので、その意味では国家に属していると言える
国家同士は互いに、護衛やモンスターからの街道解放を除く、『国家内で遂行出来る事象』は、絶対に国家内でさばく
こうすることで、四つに分かれた大国同士、協力する理由を作らないようにしている
二つの大国が手を結び、力であと二つの大国をねじふせることが無いわけではない
実際、この決まり事が無い時代、バシュランとアルバシアが結託し、領土拡大のために、五つ目の国を侵略した過去がある
その後はバシュランとアルバシアが世界を統一したが、滅亡した国の民を含む反発組織があったため、完全な統一は出来なかった
結局、統一した国同士が離れ、世界は元のような過剰な干渉が無くなった
これらのことを踏まえ、定められたルールに従い、ユーリフはノイスの依頼は受けられない、と言っているのだ
バシュランと、国としてではないが、他の三国家から独立しているレタナ族
依頼を受けられない理由として、しっかり当てはまっている
「ごめんなさい、出来れば受けたかったんだけど、私達は国に逆らうようなことは出来ないの」
いくら子供と言えど、通る要求には限度がある、と感じたようだ
口を真一文字に結んで、強く噛む
そこに、淳は不思議な思いを感じた
子供らしからぬ、強い決意だ
ユーリフは立ち上がり、ノイスと向き直る
「本当に申し訳ないと思うけど、諦め」
「待ってユーリフ」
彼女の後ろで傍観していた淳が、肩を掴んだ
ユーリフはやや強引に彼の手を退けると、少し睨んだ
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