月姫

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小走りで村に戻りました そこにあったのは見たくもない光景 幸せそうな紫月の笑顔 子供と妻と笑いあう紫月 雫が見たことない笑顔 ポロリと腕から落ちる仙桃 私は笑顔の貴方が好き 貴方が心から笑うのがその人達の傍なら私は… 貴方が好きだから 本当に好きだから サヨナラだね 雫は落とした仙桃を拾い一口かじりました 甘い味が口の中に広がったはずなのに口の中はしょっぱい味がした 知らず知らず流していた涙 雫は泣きながらも仙桃を二つ食べました 本当に好きだった 貴方の傍に居たかった でも貴方が望まないのに私が傍に居ても貴方は笑ってくれないよね 笑顔の貴方が好きだから 優しい貴方が好きだから 私は仙人になり、貴方を見守ります 貴方がいつか生まれ変わるまで貴方を待ちます またいつか逢おうね 愛する紫月… 雫は仙人になり月に行きました 今も雫は月で紫月を待っています いつか優しい笑顔を向けてくれる日を夢見て月姫は今日も月から地球を見守ります
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