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その美しい言葉たちに、 溢れる涙を抑えることはできなかった。 久しぶりに見る自分の涙に、 ああ、まだ泣けるんだ。 と安堵したのを覚えている。 涙なんて、 とうに枯れたと思っていた。 心なんて、 とうに腐ってると思っていた。 たった一冊の本に書かれた、 あまりにも美しい言葉たちと あまりにも美しい世界に、 忘れていたものを呼び起こされた気がした。 暗闇しかなかった自分の体の中に、 一筋の光が差し込んだような気持ちになったんだ…。
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