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夜中の3時
雄也は明日が休みだろうけど
あたしは6時に起きなきゃ間に合わない
眠い、眠れない
寝たら完璧に殴られる
その時、携帯が鳴った
「もしもし?駅着いたの?」
「アンタが綾女さんですかー?」
知らない、女のこえ
「そうですが…どちら様ですか?」
「雄也のー、セフレですけど。あたし雄也好きになったんでくれませんか?」
「…それはあたしがきめることじゃないですし、別れるつもりありません。浮気も知ってますから」
「へー、余裕ー。ムカツクね?でも雄也綾女さんのことボロクソ言ってるよ?ウザくてろくでもない、ストーカーみたいな女だって。束縛厳しいからあたしともたまにしか会えないって」
あたしは、電話を落とした
そうやって、言っているんだ。
「聞いてますー?ショックですよねーキャハハハハ」
甲高い笑い声が強制的に終了した
雄也が切ったんだろう
たまにしか会えないのは
沢山女のコが居るから
束縛なんてしてない
ストーカーってなに?
それは雄也のほう…なのに
机の上の、買って半日の携帯がまた震える
「もしもし?俺。30分したら駅迎えに来て」
「わかっ…」ぷーぷー…
返事も、させてくれない
報われない
いつか捨てられる
不機嫌な電話の声
帰ってきたら殴られる
それでも雄也が愛しくて堪らない。
あんなこと言われていても
雄也を信じたい、バカなあたし。
一番に、なれない
愛してさえ、くれない
それでも
見えない希望を
ずっとずっと、期待しながら
あたしは歩く
「雄也、だいすき…」
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