8人が本棚に入れています
本棚に追加
「簡単に刺さるわ」
サクッ、サクッと
楽しみながらスプーンをかき氷に落とす
「削った氷だからな」
彼女は常に理解不能な思考をしていて
そこもまた好きな理由だった
煙草に火をつけて彼女を見つめた
「まるで、白い肌に突き刺さった刃物から流れる血液のようね」
サクッ
「…そう」
彼女の口癖はこうだ
「貴方を一度此の手で殺めてみたいわ。きれいでしょうね」
決まって獣になった夜にソレを呟く
「君の好きなように」
刃物で腕を裂かれたこともある
「貴方の血液はきれい」
汚れ無き血だと彼女は笑う
「ねぇ、人は簡単に死ぬのよ」
サクッ
「最近いつもより激しく思うの」
サクッ
「貴方を殺めたい…」
かき氷を一口
口に運びいれる
甘い味覚は彼女を笑顔にさせた
「素晴らしい味よ。美味しい。」
「良かった」
揉み消した煙草は煙すら出さなくなった
最初のコメントを投稿しよう!