kiriya VER.

2/4
前へ
/55ページ
次へ
まるでビー玉を窪みに嵌め込んだみたいな瞳で 布団に横たわった女は俺を見る。 俺の友達で、親友 紫苑は言葉も発することもなく瞳で捉えた俺を見る 「…何だよ」 言葉を発すると怯えたように視線を反らす 『別に!霧哉カッコイイから見とれた!』 なんて、つい数ヶ月前まで笑っていたのに 俺はこいつに告白されて 俺は俺なりに大事にしてやった。 彼女なんかじゃないし 俺には大事なやつがいる 恋人未満友達以上 そんな関係で、大事にしてやってたのに 「なんかもう、ごめんね」 そんなメールがきて心配になり家に来たら 家のなかは物が散らばり 紫苑が布団にくるまり 撒き散らした薬はあり得ない量で 自殺未遂起こしたんだと 俺は気付いた。 だから「何でこんなことするんだ」と言ったら 「時間潰しで、遊んでただけのくせに…」 それ以来言葉を発しなくなった
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加