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「――で、冷静になった今、その判断は正しかったの?」
連休と有給を使って、達哉と同じく旅行に出かけていた尚子が帰ってきた週末、お土産と引き換えに、事の全てを話した。
「今も、その時も、私はずっと冷静です!今はむしろスッキリというか、ホッとしてるというか…。私、どこかで無理しながら付き合ってたんだよ。追いかけるのに必死で、無理してるの気づかなかった。だからね、今度は、追いかけもらえるような恋するんだ。癒しを求める!」
「なーんか…。んー…。まぁ、あんたが大丈夫なら私は何も言わないよ。…ねぇ、じゃさ、タツの話はもういい?」
えっ?
達哉の話?
胸騒ぎがした―。
「達哉の?何?聞いてもいいよ、別に。けど、寄りは戻さないよ。」
聞きたい…。
何かあったのかな…。
でも、何で尚子が知ってるのよ。
「別に聞かなくていいよ。大した話じゃないし。ほら、アメリカで会おっかってタツと話したって言ったじゃん?それよ、それ。ちゃんと会えたからさ。」
「ああー、そっか。言ってたね、探り入れてくるーって、尚子。でも、ごめん。もうよくなったわ。」
なんだ…。それか…。
でも、なんだろう。何かが引っかかる…。
気のせいかな。
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