14人が本棚に入れています
本棚に追加
「よぉ、ヘタレー。生きてるかぁ?」
玄関の鍵が開けっ放しだったらしく、コンビニの袋を下げた晶がズカズカと俺の足元までやってきた。
座って俯いている俺の正面にしゃがみこみ、顔を覗き込む。
「あら、たっちゃん、泣いちゃったの~。」
こんにゃろ。少しでも尊敬してた俺がバカだった。
「感情に任せて殴られたいか?真面目に空気読めよ。」
マジで一発殴ってやろーか。
「あははっ。やだわぁ、たっちゃん。ごめんごめん。で、志保ちゃんかな。その涙の原因は。」
「…。」
そうだった。俺、泣いてたんだ。やべ。マジかっこわりー。
「はぁー。おおよそ検討はついてる。何も言われず去られちゃったんだろ?とりあえず、そこ通行の邪魔だから、部屋の中にちゃんと入れ。せっまい家なんだから。ほれ、飲め。」
晶はソファに座り、ガサガサと袋からビールを取り出す。
そういや俺部屋の入口に座り込んだままだった。部屋の異変を感じ取った所に。だから晶は俺を跨いで入ってきたんだ。
てか、ここ俺んちなんですけど、晶さん…。
.
最初のコメントを投稿しよう!