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「バインディング・・・ここにいるのか?」
目深にフードを被ったウォルターがターンに尋ねた。
《ああ・・・いる》
「そうか」
ウォルターは短く応えると黙り込む。
昔のように目を輝かせて街をキョロキョロ見るようなことはしない。
珍しい物を見たとしてもなにも感じないから。
昔、目に映る世界は色が溢れて輝いていたのに、今は違う。
色など白と黒しか写らない。
たまに死神の瞳のように紅い血が写るくらい。
それくらいウォルターは無感動になっていた。
「生きるは・・・死だ」
ウォルターは低く呟いた。
その時、目の前から少女が一人走って来た。
しかし俯いているせいでウォルターは気付かない。
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