第2章

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ウォルターは奥歯を噛み締め歯軋りをする。 この路地は封鎖したはずだ。 なのに人間がいる。 つまり自分は付けれていたのだ。 さっきぶつかった女に。 (ターン、お前女が付いて来ていること知っていたな?) ウォルターが頭の中でターンに言う。 すると、頭の中で不快にさせるクツクツとターンの笑い声が聞こえた。 《さぁ?どうだろうな》 人を馬鹿にしたように答えるターン。 ウォルターはもうターンに語りかけない。 そんなことで時間を掛けられるほど余裕は無い。 ユウは鎌を構え直す。 それを見てウォルターも構える。 今の状況的に自分の方が不利だとウォルターは思う。 後ろにいる女を守らなければならないから。 関係の無い人間を巻き込むわけにはいかない。 それが例え人間の自業自得だとしても。
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