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ウォルターがユウから一瞬注意を反らした瞬間、目の前からユウが消えた。
ウォルターの髪を一陣の風が吹き揺らす。
ウォルターはとっさにしゃがんでいる少女の襟首を掴む。
「ひっ!」
何をされるのかわからない少女は小さな悲鳴をあげる。
「口をしっかり閉じてろ。舌噛むぞ」
ウォルターは言葉と同時に少女を高く投げ飛ばした。
「ひやぁあああ!!!」
少女の悲鳴が頭上で聞こえるが気にしない。
ウォルターはすぐに体制を直し、視界の端に見えた鎌の刃を受け止めた。
ユウは妖艶に笑む。
「私がよく人間を襲うのに気付いたわね」
「お前が走り去ったときに乱れた空気の流れでわかった」
ウォルターの言葉にユウは少し驚いた表情をしたがすぐに元の表情に戻る。
「そう」
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