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それでも少女手を離さない。
「・・・怪我、してる」
「だから?」
ウォルターは冷たく言う。
「戦ったら傷口広がっちゃう」
少女の言葉にウォルターはしばらく考えたあと口を開く。
「つまり戦うなと?」
コクン、と少女は頷いた。
「無理な話だ・・・。!」
ウォルターはそう言ったあと勢いよく空を見上げる。
微弱な電流を流したような感覚が体に走ったのだ。
それはウォルターの魔法が破られたサイン。
「クソッ」
ウォルターは小さく悪態をつくと少女を庇うように怪我した腕を少女の前に出す。
ウォルターは視線をユウに戻す。
倒れているユウの前にもう一人の死神が立っていた。
ユウとそっくりな風貌。
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