第2章

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「・・・逃げられたか」 ウォルターは小さく舌打ちをすると少女の方を見た。 「放せ」 まだギュッと掴まれた袖を煩わしそうに引っ張る。 呆然としていた少女は我に返るとウォルターの袖を放す。 「助けてくれてありがとう」 「・・・ふん」 ウォルターはそれだけ言うと少女に背を向けて歩き出そうとしたが、再び少女に引き止められた。 「まだ、何かあるのか?」 「怪我してるから手当しなきゃ」 「あっそ」 ウォルターは素っ気なく言う。 「あっそって・・・怪我見せて。まず止血しなきゃ」 「お前には関係ない。放せ」 「私の名前はリム。お前じゃないわ、半死神のウォルター」 少女・・・リムはウォルターを睨み付けた。
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